GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『明暗』
現代語化
「何が?」
「なぜお姉さんにそんなに気を遣ってるのかが」
「言ってみて」
「言う必要ないです。ただ私がその意味が分かったってことだけ分かってくれればそれでいいんです」
「じゃあわざわざ断る必要ないよ。黙って一人で分かったと思っとけばいい」
「いいえ、駄目です。兄さんは私を妹だと思ってないでしょ?お父さんとお母さんに関係ないことであれば、私には兄さんの前で何にも言う権利がないと思ってるんでしょ。だから私も言いません。でも言わなくても、ちゃんと見てます。知らないで言わないと思ってるのは間違ってますから、念のため言っておきました」<ctrl100>
原文 (会話文抽出)
「解りましたよ、兄さん」
「何が」
「なぜ嫂さんに対して兄さんがそんなに気をおいていらっしゃるかという意味がです」
「云って御覧」
「云う必要はないんです。ただ私にその意味が解ったという事だけを承知していただけばたくさんなんです」
「そんならわざわざ断る必要はないよ。黙って独りで解ったと思っているがいい」
「いいえよくないんです。兄さんは私を妹と見傚していらっしゃらない。お父さんやお母さんに関係する事でなければ、私には兄さんの前で何にもいう権利がないものとしていらっしゃる。だから私も云いません。しかし云わなくっても、眼はちゃんとついています。知らないで云わないと思っておいでだと間違いますから、ちょっとお断り致したのです」