GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『明暗』
現代語化
「ははあ、笑ってるを見ると、やっぱり嬉しいんだな」
「何がよ」
「何がって、そんなに惚けてなくても、分ってるでしょ。――でも本当に由雄さんはそんなに厳しい人かい？」
「どうだか私はよく分からないわ。どうしてまたそんなことを真面目に聞くの？」
「少しはこちらにも考えがあるんだ、返事次第では」
「おお怖いこと。じゃ言っちゃうわ。由雄はあなたがお察しの通り厳しい人よ。それがどうしたの？」
「本当にかい？」
「ええ。ずいぶん叔父さんも苦労してるのね」
「じゃこっちでも簡潔に結論を言っちゃう。はたして由雄さんが、お前の言う通り厳しい人ならば、とうてい悪口の上手なお前には向かないね」
「この叔母さんなら、ちょうどお誂え向きかもしれないけど」
原文 (会話文抽出)
「いったい由雄さんはそんなに厳格な人かね」
「ははあ、笑ってるところを見ると、やっぱり嬉しいんだな」
「何がよ」
「何がよって、そんなに白ばっくれなくっても、分っていらあな。――だが本当に由雄さんはそんなに厳格な人かい」
「どうだかあたしよく解らないわ。なぜまたそんな事を真面目くさってお訊きになるの」
「少しこっちにも料簡があるんだ、返答次第では」
「おお怖い事。じゃ云っちまうわ。由雄は御察しの通り厳格な人よ。それがどうしたの」
「本当にかい」
「ええ。ずいぶん叔父さんも苦呶いのね」
「じゃこっちでも簡潔に結論を云っちまう。はたして由雄さんが、お前のいう通り厳格な人ならばだ。とうてい悪口の達者なお前には向かないね」
「この叔母さんなら、ちょうどお誂らえ向かも知れないがね」