GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『明暗』
現代語化
「あなた次第よ。あなたが行けっておっしゃれば行くし、やめろとおっしゃればやめるわ」
「ずいぶん素直だな」
「いつでも素直よ。――岡本だってあなたに聞いて見て、もし行っていいとおっしゃったら連れてってやるから、ご病気があんまりじゃなかったら、聞いてみてって言ってるんですもの」
「でもお前の方から岡本に電話したんじゃないか」
「ええそうよ、約束なんですもの。一度断ったんだけど、具合によっては行けるかもしれないから、もう一度その日の昼までに電話で連絡しろって言ってきたんですもの」
「岡本からそんな返事が来たのかい」
「ええ」
「結局、お前はどうなんだ。行きたいのか、行きたくないのか」
「そりゃ行きたいわ」
「とうとう白状したな。じゃおいでよ」
原文 (会話文抽出)
「行くのか、行かないのかい」
「あなた次第よ。あなたが行けとおっしゃれば行くし、止せとおっしゃれば止すわ」
「大変柔順だな」
「いつでも柔順だわ。――岡本だってあなたに伺って見た上で、もしいいとおっしゃったら連れて行ってやるから、御病気が大した事でなかったら、訊いて見ろって云うんですもの」
「だってお前の方から岡本へ電話をかけたんじゃないか」
「ええそりゃそうよ、約束ですもの。一返断ったけれども、模様次第では行けるかも知れないだろうから、もう一返その日の午までに電話で都合を知らせろって云って来たんですもの」
「岡本からそういう返事が来たのかい」
「ええ」
「要するに、お前はどうなんだ。行きたいのか、行きたくないのか」
「そりゃ行きたいわ」
「とうとう白状したな。じゃおいでよ」