夏目漱石 『明暗』 「藤井の叔父に金があると、あすこへ行くんだ…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『明暗』

現代語化

「藤井の叔父にお金があるから、そこに行くんだが……」
「もう一回お父さまのところに行ってお知らせするわけにはいかないの?ついでに病気のことも書いて」
「書いてあげられないことはないけど、またあれこれ言われそうだから面倒なんだよね。お父さんに捕まると、なかなか埒が明かないよ」
「でも他に頼るところがなければ仕方ないでしょ」
「だから書かないとは言ってない。こっちの事情が向こうに伝わるようにするつもりだけど、すぐには無理だよ」
「そうね」
「どう?お前、岡本さんに頼んでちょっとお金借りてきてくれない?」
「いやよ、私」

原文 (会話文抽出)

「藤井の叔父に金があると、あすこへ行くんだが……」
「もう一遍御父さまのところへ云って上げる訳にゃ行かないの。ついでに病気の事も書いて」
「書いてやれない事もないが、また何とかかとか云って来られると面倒だからね。御父さんに捕まると、そりゃなかなか埒は開かないよ」
「でもほかに当がなければ仕方なかないの」
「だから書かないとは云わない。こっちの事情が好く向うへ通じるようにする事はするつもりだが、何しろすぐの間には合わないからな」
「そうね」
「どうだ御前岡本さんへ行ってちょっと融通して貰って来ないか」
「厭よ、あたし」


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