夏目漱石 『行人』 「もっとも一郎さんも善くないと僕は思います…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『行人』

現代語化

「でもさ、一郎さんも悪いと思うよ。そうでしょ、書斎ばっかこもって勉強してても、つまんないでしょ。もう一郎さんくらい勉強したら、どこに出たって引けを取らないんでしょ。でも、二郎さんとか、お直さんとか、叔母さんも良くないみたいだね。一郎さんは書斎以外は大嫌いって言ってるくせに、俺が行ってこうやって引っ張り出せば、あっさり2階から下りてきて、俺と面白そうに話してくれない?そうでしょ一郎さん」
「ねぇ、叔母さん」
「ねぇお重さん」
「岡田さん、いくら歳とってもおしゃべり病は治らないのね。うるさいわよ」

原文 (会話文抽出)

「もっとも一郎さんも善くないと僕は思いますよ。そうあなた、書斎にばかり引っ込んで勉強していたって、つまらないじゃありませんか。もうあなたぐらい学問をすれば、どこへ出たって引けを取るんじゃないんだからね。しかし二郎さん始め、お直さんや叔母さんも好くないようですね。一郎は書斎よりほかは嫌いだ嫌いだって云っときながら、僕が来てこう引っ張り出せば、訳なく二階から下りて来て、僕と面白そうに話してくれるじゃありませんか。そうでしょう一郎さん」
「ねえ叔母さん」
「ねえお重さん」
「岡田さん、あなたいくら年を取っても饒舌る病気が癒らないのね。騒々しいわよ」


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