夏目漱石 『行人』 「二郎たとい、お前が家を出たってね……」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『行人』

現代語化

「二郎、お前が家を出たとしてもさ……」
「なんすか」
「兄貴にはもう話したのかい」
「まだ」
「兄貴には直接話した方がいいかもしれんよ。親父や親父から間に入られると、不機嫌になるかもしれんし」
「僕もそう思ってます。なるべく綺麗に身なり整えて出るつもりなんで」
「大阪の岡田から、お貞の結婚についてまた問い合わせが来たから、返事書こうと思ってたのに、今日までほったらかしてた。今日こそは書かないとなと思って、今書いてるとこなんだ。ついでに言っとくと、お前が書く拝啓の啓の字は間違ってる。崩すならあそこにあるように崩すもんだ」

原文 (会話文抽出)

「二郎たとい、お前が家を出たってね……」
「何ですか」
「兄さんにはもう御話しかい」
「いいえ」
「兄さんにはかえってお前から直下に話した方が好いかも知れないよ。なまじ、御父さんや御母さんから取次ぐと、かえって感情を害するかも知れないからね」
「ええ僕もそう思っています。なるたけ綺麗にして出るつもりですから」
「大阪の岡田からお貞の結婚について、この間また問い合せが来たので、その返事を書こう書こうと思いながら、とうとう今日まで放っておいたから、今日は是非一つその義務を果そうと思って、今書いているところだ。ついでだからそう云っとくが、御前の書く拝啓の啓の字は間違っている。崩すならそこにあるように崩すものだ」


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