GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『行人』
現代語化
「ああそうか、俺が悪かった。お前がせっかちなところへもってきて、俺が癇癪持ちだから、つい変なことになるんだろう。二郎、それじゃあいつゆっくり話すんだ。ゆっくり聞くことなら今からだって俺にはできるつもりだが」
「まあ東京に帰るまで待ってください。東京に帰ったって、明日の夜の急行だから、もうすぐです。それから落ち着いて自分の考えもお話ししたいと思いますから」
「それでもいい」
「ではどうか、そうさせてください」
「ああ」
原文 (会話文抽出)
「今云おうと思ってるところです。しかし事が複雑なだけに、何から話して好いか解らないんでちょっと困ってるんです。兄さんもほかの事たあ違うんだから、もう少し打ち解けてゆっくり聞いて下さらなくっちゃ。そう裁判所みたように生真面目に叱りつけられちゃ、せっかく咽喉まで出かかったものも、辟易して引込んじまいますから」
「ああそうかおれが悪かった。お前が性急の上へ持って来て、おれが癇癪持と来ているから、つい変にもなるんだろう。二郎、それじゃいつゆっくり話される。ゆっくり聞く事なら今でもおれにはできるつもりだが」
「まあ東京へ帰るまで待って下さい。東京へ帰るたって、あすの晩の急行だから、もう直です。その上で落ちついて僕の考えも申し上げたいと思ってますから」
「それでも好い」
「ではどうか、そう願います」
「ああ」