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青空文庫図書カード: 夏目漱石 『坑夫』
「ええ、かけねえ。暗くっても、何ともねえ。さあ、行くんだ。――しかし、ちょっと覚えとけ。暗くなったら、こうやって手を探すんだ。そんで、見つかったら、そこが通りだ。覚えてるかい。――暗うてえな」
「ええ。暗うございます」
「暗うても、こわくねえだろう」
「こわかあねえ」
「こわけりゃ、そんな処へ来ちゃいけない」
「ええ。暗うても、何ともねえ」
「それじゃ、行くんだ」
「はい」
「まあ、手探りで行くなり」
「ええ」
「そんで、打当たった処が通りだから、そっから手探りで進んで行くんだ」
「ええ。分りました」
「行け」
「はい」
「おい、また消した。こりゃどうもよう、よく消すなあ」
「ええ。暗いのなんの。この暗うてえのがたまんねえ」
「暗うてえからたまらねえか、暗うてもたまらねえか」
「暗うても、たまらねえ」
「暗うてもか」
「ええ。暗うても」
「そうかな」
「ええ」
「じゃ、いけ、いけ。――まあ手探りで行け」
「はい」
「行け」
「はい」
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