GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『こころ』
現代語化
「なんでそんなこと聞くの?」
「先生に聞いても教えてくれないから」
「教えてあげるほどもないのよ」
「でもどのくらいあったら先生みたいに暮らせるか、家に帰って父に交渉するときの参考に教えてください」
「どのくらいなんて、そんなにあるわけないわ。まあこうして細々と暮らしていけるだけよ。――それはともかく、あなたはこれから何か仕事をしなきゃ本当にダメよ。先生みたいにゴロゴロしてるだけじゃ……」
「ゴロゴロしてるだけじゃないさ」
原文 (会話文抽出)
「奥さん、お宅の財産はよッぽどあるんですか」
「何だってそんな事をお聞きになるの」
「先生に聞いても教えて下さらないから」
「教えて上げるほどないからでしょう」
「でもどのくらいあったら先生のようにしていられるか、宅へ帰って一つ父に談判する時の参考にしますから聞かして下さい」
「どのくらいってほどありゃしませんわ。まあこうしてどうかこうか暮してゆかれるだけよ、あなた。――そりゃどうでも宜いとして、あなたはこれから何か為さらなくっちゃ本当にいけませんよ。先生のようにごろごろばかりしていちゃ……」
「ごろごろばかりしていやしないさ」