GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『こころ』
現代語化
「じゃあ公務員？」
「実はまだ何をするか決めてないんです。職業について全然考えたことがないくらいですから。そもそもどれがいいのか悪いのか、自分でやってみないとわからないんだから、選べないんだと思います」
「それもそうね。でもあなたは結局お金があるからそんな呑気なことを言えるんだよね。困ってる人が見たら、とてもそんな悠長にしてられないわよ」
「ちょっと先生に影響され過ぎたのかな」
「いい影響じゃないわね」
「影響されてもいいから、その代わり前にも言ったとおり、お父さんが生きてるうちに、ちゃんとした財産をもらうようにしなさい。そうしないと安心できないよ」
原文 (会話文抽出)
「教師？」
「じゃお役人？」
「本当いうと、まだ何をする考えもないんです。実は職業というものについて、全く考えた事がないくらいなんですから。だいちどれが善いか、どれが悪いか、自分がやって見た上でないと解らないんだから、選択に困る訳だと思います」
「それもそうね。けれどもあなたは必竟財産があるからそんな呑気な事をいっていられるのよ。これが困る人でご覧なさい。なかなかあなたのように落ち付いちゃいられないから」
「少し先生にかぶれたんでしょう」
「碌なかぶれ方をして下さらないのね」
「かぶれても構わないから、その代りこの間いった通り、お父さんの生きてるうちに、相当の財産を分けてもらってお置きなさい。それでないと決して油断はならない」