GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『こころ』
現代語化
「私は過去の経験から、人を疑うクセがついてる。だから実はあなたも疑ってる。でもあなただけは疑いたくない。あなたはあまりに単純すぎるから。私は死ぬ前にたった一人でいいから、他人を信じて死にたいと思ってる。あなたはそのたった一人になれますか?なってくれますか?あなたは心から真剣ですか?」
「もし私の命が真剣なものなら、私の今言ったことも真剣です」
「わかりました」
「話しましょう。私の過去を全部、あなたに話しましょう。その代わり……。いや、それはいいです。でも私の過去はあなたにとってそんなに役に立たないかもしれませんよ。聞かないほうがいいかもしれませんよ。それから、――今は話せないので、そのつもりでいてください。いいタイミングが来ないと話さないんだから」
原文 (会話文抽出)
「あなたは本当に真面目なんですか」
「私は過去の因果で、人を疑りつけている。だから実はあなたも疑っている。しかしどうもあなただけは疑りたくない。あなたは疑るにはあまりに単純すぎるようだ。私は死ぬ前にたった一人で好いから、他を信用して死にたいと思っている。あなたはそのたった一人になれますか。なってくれますか。あなたははらの底から真面目ですか」
「もし私の命が真面目なものなら、私の今いった事も真面目です」
「よろしい」
「話しましょう。私の過去を残らず、あなたに話して上げましょう。その代り……。いやそれは構わない。しかし私の過去はあなたに取ってそれほど有益でないかも知れませんよ。聞かない方が増かも知れませんよ。それから、――今は話せないんだから、そのつもりでいて下さい。適当の時機が来なくっちゃ話さないんだから」