GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『こころ』
現代語化
「特に理由があるわけじゃないんだけど。……つまりいくら本を読んでも、たいして賢くならないと思うからかな。それから……」
「それから、まだあるんですか?」
「そんな大した理由じゃないけど、前はね、人に会ったり質問されたりして知らないと恥ずかしいって思ってたんだけど、最近は知らないことがそんなに恥ずかしいと思えなくなってきたから、無理してまで本を読む気がなくなったんだ。簡単に言えば、老いちゃったってことかな」
原文 (会話文抽出)
「先生はなぜ元のように書物に興味をもち得ないんですか」
「なぜという訳もありませんが。……つまりいくら本を読んでもそれほどえらくならないと思うせいでしょう。それから……」
「それから、まだあるんですか」
「まだあるというほどの理由でもないが、以前はね、人の前へ出たり、人に聞かれたりして知らないと恥のようにきまりが悪かったものだが、近頃は知らないという事が、それほどの恥でないように見え出したものだから、つい無理にも本を読んでみようという元気が出なくなったのでしょう。まあ早くいえば老い込んだのです」