GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『彼岸過迄』
現代語化
「だから叔父さんも私を嫌ってるんです」
「ひねくれてるのをパッとやめればいいじゃない」
「私にひねくれたところがあるんですか?」
「あるよ」
「どういうところがひねくれてるのか、はっきりと教えてください」
「どういうところかって、――あるよ。あるからあるって言ってるんだよ」
「じゃあそういう弱点があるとして、その弱点はどこから来たんですか?」
「それは自分のことなんだから、自分でちょっと考えてみたらいいよ」
「あなたは冷たい人だ」
原文 (会話文抽出)
「そりゃ広い世の中だから、敵同志の親子もあるだろうし、命を危め合う夫婦もいないとは限らないさ。しかしまあ一般に云えば、兄弟とか叔父甥とかの名で繋がっている以上は、繋がっているだけの親しみはどこかにあろうじゃないか。御前は相応の教育もあり、相応の頭もある癖に、何だか妙に一種の僻みがあるよ。それが御前の弱点だ。是非直さなくっちゃいけない。傍から見ていても不愉快だ」
「だから叔父さんまで嫌っていると云うのです」
「僻みさえさらりと棄ててしまえば何でもないじゃないか」
「僕に僻があるでしょうか」
「あるよ」
「どういうところが僻んでいるでしょう。判然聞かして下さい」
「どういうところがって、――あるよ。あるからあると云うんだよ」
「じゃそういう弱点があるとして、その弱点はどこから出たんでしょう」
「そりゃ自分の事だから、少し自分で考えて見たらよかろう」
「あなたは不親切だ」