GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『彼岸過迄』
現代語化
「芭蕉はしぶといよね。この間から『今日こそ枯れるか、今日こそ枯れるか』って、毎日こうやって見てるけど、なかなか枯れない。山茶花が散って、青桐の葉が全部落ちても、まだ青いんだから」
「妙なことに興味があるのね。だから恒三さんは無職だって言われるのよ」
「その代わりお前の叔父さんは芭蕉の研究なんか一生できないよ」
「したくないわ、そんな研究なんか。でも叔父さんはうちのお父さんよりずっと学者よ。私は本当に尊敬してるの」
「生意気言うな」
「あら、本当よ。だって何聞いても知ってるんだから」
「千代子、待ってろ。面白いこと教えてやるよ」
「いやよ。こないだみたいに、西洋タバコの名前をたくさん覚えさせないでよ」
原文 (会話文抽出)
「芭蕉があるもんだから余計音がするのね」
「芭蕉はよく持つものだよ。この間から今日は枯れるか、今日は枯れるかと思って、毎日こうして見ているがなかなか枯れない。山茶花が散って、青桐が裸になっても、まだ青いんだからなあ」
「妙な事に感心するのね。だから恒三は閑人だって云われるのよ」
「その代り御前の叔父さんには芭蕉の研究なんか死ぬまでできっこない」
「したかないわ、そんな研究なんか。だけど叔父さんは内の御父さんよりか全く学者ね。わたし本当に敬服しててよ」
「生意気云うな」
「あら本当よあなた。だって何を聞いても知ってるんですもの」
「千代子待っておいで。今にまた面白い事を教えてやるから」
「厭よまたこないだみたいに、西洋煙草の名なんかたくさん覚えさせちゃ」