GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『虞美人草』
現代語化
「うん?」
「どうだい?なかなか上手いだろう?」
「何これ?すごい量書いたんだね」
「もう1時間以上書いてるよ」
「僕が来なかったら夜まで書いてたんだろう。くだらない」
「これが哲学と何か関係でもあるのかい?」
「あってもいい」
「万有世界の哲学的象徴とでも言うんだろう。よく一つの頭でこんなに並べられたもんだね。紺屋の上絵師と哲学者という論文でも書く気じゃないか?」
「何だか、どうも相変わらずぐずぐずしてるね。いつ見ても煮え切らない」
「今日は特に煮え切らない」
「天気が悪いせいじゃないか、ハハハハ」
「天気が悪いせいじゃなくて、生きてるせいだよ」
「そうさね、煮え切ってピンピンしてるやつはあまりいないみたいだ。僕らも、こうやって30年近くも、じくじくして……」
「いつまでも世間の鍋の中で、煮え切れずにいるんだよ」
「ところで甲野さん、今日は報告がてらちょっと交渉に来たんだけど」
「難しい用事みたいだね」
「近いうちに洋行するよ」
「洋行を?」
「うん、ヨーロッパに行くんだ」
「行くのはいいけど、親父さんのように、煮え切っちゃいけないよ」
「なんとも言えないけど、インド洋さえ越えれば大丈夫だろう」
「実は最近の好機に外交官の試験に合格したんで、この通り早速頭を刈ってね、やっぱり、最近の好機に旅立たないと。あれこれ忙しくて。なかなか○や△を並べてられない」
「そりゃおめでたい」<ctrl100>
原文 (会話文抽出)
「何をしているね」
「うん?」
「どうだ。なかなか旨いだろう」
「何だこりゃ。恐ろしいたくさん書いたね」
「もう一時間以上書いている」
「僕が来なければ晩まで書いているんだろう。くだらない」
「これが哲学と何か関係でもあるのかい」
「有っても好い」
「万有世界の哲学的象徴とでも云うんだろう。よく一人の頭でこんなに並べられたもんだね。紺屋の上絵師と哲学者と云う論文でも書く気じゃないか」
「何だか、どうも相変らずぐずぐずしているね。いつ見ても煮え切らない」
「今日は特別煮え切らない」
「天気のせいじゃないか、ハハハハ」
「天気のせいより、生きてるせいだよ」
「そうさね、煮え切ってぴんぴんしているものは沢山ないようだ。御互も、こうやって三十年近くも、しくしくして……」
「いつまでも浮世の鍋の中で、煮え切れずにいるのさ」
「時に甲野さん、今日は報告かたがた少々談判に来たんだがね」
「むつかしい来ようだ」
「近いうち洋行をするよ」
「洋行を」
「うん欧羅巴へ行くのさ」
「行くのはいいが、親父見たように、煮え切っちゃいけない」
「なんとも云えないが、印度洋さえ越せば大抵大丈夫だろう」
「実は最近の好機において外交官の試験に及第したんだから、この通り早速頭を刈ってね、やっぱり、最近の好機において出掛けなくっちゃならない。塵事多忙だ。なかなか丸や三角を並べちゃいられない」
「そりゃおめでたい」