夏目漱石 『虞美人草』 「不便だって、修業のためにわざわざ、ああ云…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『虞美人草』

現代語化

「不便だって、修行のためにわざわざ、ああいう山を選んで開くんだよ。今の大学なんかは便利すぎるから、みんな贅沢になっていく。学生のくせに洋菓子だの、ウイスキーだのって……」
「おじさん、叡山の坊主は夜11時頃から坂本まで蕎麦を食べに行くそうですよ」
「アハハ、その通り」
「本当ですよ。ねえ甲野さん。いくら不便だって食べたいものは食べたいですからね」
「それは怠け坊主だろう」
「すると僕らは怠け学生ですか」
「お前たちは怠け以上だ」
「僕らは以上でもいいけど――坂本までは山道2里ぐらいありますよ」
「あるだろう、そのくらいは」
「それを夜11時から降りて、蕎麦を食って、それからまた登るんですからね」
「だから、どうなんだい」
「とても怠け者ではできない仕事ですよ」
「アハハハハ」

原文 (会話文抽出)

「不便だって、修業のためにわざわざ、ああ云う山を択んで開くのさ。今の大学などはあまり便利な所にあるから、みんな贅沢になって行かん。書生の癖に西洋菓子だの、ホイスキーだのと云って……」
「阿爺叡山の坊主は夜十一時頃から坂本まで蕎麦を食いに行くそうですよ」
「アハハハ真逆」
「なに本当ですよ。ねえ甲野さん。――いくら不便だって食いたいものは食いたいですからね」
「それはのらくら坊主だろう」
「すると僕らはのらくら書生かな」
「御前達はのらくら以上だ」
「僕らは以上でもいいが――坂本までは山道二里ばかりありますぜ」
「あるだろう、そのくらいは」
「それを夜の十一時から下りて、蕎麦を食って、それからまた登るんですからね」
「だから、どうなんだい」
「到底のらくらじゃ出来ない仕事ですよ」
「アハハハハ」


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