夏目漱石 『虞美人草』 「そうか、寝なかったのか」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『虞美人草』

現代語化

「そうか、寝てなかったの?」
「ちょっとは寝たよ」
「なんだ、そんなものを頭からかぶってさ……」
「寒いんだ」
「腹減った。まだご飯食べさせてくれないの?」
「ご飯食べる前に顔洗わなくちゃ……」
「ごもっともだ。ごもっともなことばっかり言う男だな。ちょっと富士山でも見てみなよ」
「叡山よりいいよ」
「叡山?なんだ叡山なんて、しょせん京都の山じゃん」
「すごい見下してるね」
「ふーん。どうだい、あの大っきいこと。人間もああじゃないとダメだよ」
「君には無理でしょ」
「保津川が関の山?保津川でも君より上等だ。君なんて京都の電車ぐらいなもの」
「京都の電車はアレでも動くからいいじゃん」
「君は全く動かないね。ハハハ。さあラクダをどかして動き出した」

原文 (会話文抽出)

「そうか、寝なかったのか」
「少しは寝た」
「何だ、そんなものを頭から被って……」
「寒い」
「僕は腹が減った。まだ飯は食わさないだろうか」
「飯を食う前に顔を洗わなくっちゃ……」
「ごもっともだ。ごもっともな事ばかり云う男だ。ちっと富士でも見るがいい」
「叡山よりいいよ」
「叡山? 何だ叡山なんか、たかが京都の山だ」
「大変軽蔑するね」
「ふふん。――どうだい、あの雄大な事は。人間もああ来なくっちゃあ駄目だ」
「君にはああ落ちついちゃいられないよ」
「保津川が関の山か。保津川でも君より上等だ。君なんぞは京都の電車ぐらいなところだ」
「京都の電車はあれでも動くからいい」
「君は全く動かないか。ハハハハ。さあ駱駝を払い退けて動いた」


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