GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『虞美人草』
現代語化
「欽吾さんと兄ちゃんがそこに泊まってるらしいんだよ。どんな所かなーと思って、小野さんに聞いてみた」
「小野さん知ってるの?」
「三条の蔦屋だよね。あった気がするけどなあ……」
「じゃあそんなに有名な旅館じゃないんだ」
「うん」
「有名じゃなくてもいいじゃん。奥座敷で琴聴いたりしてさー。まあ兄ちゃんとか宗近だとダメだけど。小野さんなら絶対気に入るよ。春雨がそぼ降る静かな日に、お隣さんで美人が琴弾いてるの、ゴロゴロ寝転がって聞くとか、なんか詩的でいいでしょ?」
原文 (会話文抽出)
「蔦屋がどうかしたの」
「なにその蔦屋にね、欽吾さんと兄さんが宿ってるんですって。だから、どんな所かと思って、小野さんに伺って見たんです」
「小野さん知っていらしって」
「三条ですか。三条の蔦屋と。そうですね、有ったようにも覚えていますが……」
「それじゃ、そんな有名な旅屋じゃないんですね」
「ええ」
「有名でなくったって、好いじゃありませんか。裏座敷で琴が聴えて――もっとも兄と一さんじゃ駄目ね。小野さんなら、きっと御気に入るでしょう。春雨がしとしと降ってる静かな日に、宿の隣家で美人が琴を弾いてるのを、気楽に寝転んで聴いているのは、詩的でいいじゃありませんか」