GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『虞美人草』
現代語化
「知らねぇうちに堕落したり、悟ったりするのと同じだろ」
「昼が夜になったり、春が夏になったり、若いのが年寄りになったりするのと一緒じゃねぇか。それなら俺も前から知ってるよ」
「ハッハッハ、それでキミいくつだったっけ」
「俺がいくつより、キミいくつだよ」
「俺は知ってるよ」
「俺だって知ってるよ」
「ハッハッハ、やっぱり隠そうとしてんの?」
「隠すわけねぇだろ。ちゃんと知ってるよ」
「じゃあ、何歳なんだよ」
「キミから先に言えよ」
「俺は27だ」
「そうか、じゃあ俺も28だ」
「だいぶ年取ったもんだな」
「冗談言うなよ。たった1つしか違わねぇじゃねぇか」
「だからお互いだよ。お互いに年を取ったっつーんだ」
「うん、お互いならいいけど、俺だけじゃ……」
「聞き捨てならねぇな。そんなに気にするってことはまだ若い部分もあるみたいだな」
「なんだよ、坂の途中で人をバカにするなよ」
「ほら、坂の途中で邪魔になってんだよ。ちょっとどいてくれよ」
原文 (会話文抽出)
「いつの間に、こんなに高く登ったんだろう。早いものだな」
「知らぬ間に堕落したり、知らぬ間に悟ったりするのと同じようなものだろう」
「昼が夜になったり、春が夏になったり、若いものが年寄りになったり、するのと同じ事かな。それなら、おれも疾くに心得ている」
「ハハハハそれで君は幾歳だったかな」
「おれの幾歳より、君は幾歳だ」
「僕は分かってるさ」
「僕だって分かってるさ」
「ハハハハやっぱり隠す了見だと見える」
「隠すものか、ちゃんと分ってるよ」
「だから、幾歳なんだよ」
「君から先へ云え」
「僕は二十七さ」
「そうか、それじゃ、僕も二十八だ」
「だいぶ年を取ったものだね」
「冗談を言うな。たった一つしか違わんじゃないか」
「だから御互にさ。御互に年を取ったと云うんだ」
「うん御互にか、御互なら勘弁するが、おれだけじゃ……」
「聞き捨てにならんか。そう気にするだけまだ若いところもあるようだ」
「何だ坂の途中で人を馬鹿にするな」
「そら、坂の途中で邪魔になる。ちょっと退いてやれ」