夏目漱石 『虞美人草』 「君のように計画ばかりしていっこう実行しな…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『虞美人草』

現代語化

「お前みてぇに計画ばっか立てて全然実行しねぇヤツと旅行すると、どこもかしこも見逃しちゃうじゃん。冗談じゃねぇよ」
「お前のみたいに無計画に飛び出されても困るって。そもそも連れてくせに、どこから登ってどこ見てどこで降りるか全然わかんねぇじゃねぇか」
「そんなのどうでもいいじゃん、たいしたことねぇ山なんだから」
「たいしたことねぇったって、あの山何メートルあるか知ってんの?」
「知らねーよ。そんなどうでもいいこと。――お前知ってんの?」
「俺も知らねぇけど」
「だからだろ?」
「別に威張るなよ。お前だって知らねぇくせに。山ってのは高さがわからなくても、上で何見るかとか何時間くらいかかるかぐらいは事前に調べておかなきゃ、予定通りに進まないだろ」
「進まなかったらやり直せばいいじゃん。お前みてぇにグダグダ考えてるうちに何回でもやり直せるよ」

原文 (会話文抽出)

「君のように計画ばかりしていっこう実行しない男と旅行すると、どこもかしこも見損ってしまう。連こそいい迷惑だ」
「君のようにむちゃに飛び出されても相手は迷惑だ。第一、人を連れ出して置きながら、どこから登って、どこを見て、どこへ下りるのか見当がつかんじゃないか」
「なんの、これしきの事に計画も何もいったものか、たかがあの山じゃないか」
「あの山でもいいが、あの山は高さ何千尺だか知っているかい」
「知るものかね。そんな下らん事を。――君知ってるのか」
「僕も知らんがね」
「それ見るがいい」
「何もそんなに威張らなくてもいい。君だって知らんのだから。山の高さは御互に知らんとしても、山の上で何を見物して何時間かかるぐらいは多少確めて来なくっちゃ、予定通りに日程は進行するものじゃない」
「進行しなければやり直すだけだ。君のように余計な事を考えてるうちには何遍でもやり直しが出来るよ」


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