GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 夏目漱石 『硝子戸の中』
現代語化
「そんなに隊の仲間が次々と亡くなっていくのを見ていながら、自分だけは死なないと思えますか?」
「思えますね。たいていの人は死ぬまでは死なないと思ってるんでしょう」
「ああしていつも人が落ちたり死んだりしたら、後から乗る人は怖がるだろうね。今度は自分の番だと不安になるようなものだが、そうならないのかな」
「その通りにならないようです」
「どうして?」
「どうしてって、どうやら真逆の心理状態になるらしいんです。やっぱりあいつは落ちて死んだが、自分は大丈夫だという気になるみたいですね」
原文 (会話文抽出)
「他の死ぬのは当り前のように見えますが、自分が死ぬという事だけはとても考えられません」
「そんなに隊のものが続々斃れるのを見ていながら、自分だけは死なないと思っていられますか」
「いられますね。おおかた死ぬまでは死なないと思ってるんでしょう」
「ああして始終落ちたり死んだりしたら、後から乗るものは怖いだろうね。今度はおれの番だという気になりそうなものだが、そうでないかしら」
「ところがそうでないと見えます」
「なぜ」
「なぜって、まるで反対の心理状態に支配されるようになるらしいのです。やッぱりあいつは墜落して死んだが、おれは大丈夫だという気になると見えますね」