夏目漱石 『坊っちゃん』 「美しい顔をして人を陥れるようなハイカラ野…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 夏目漱石 『坊っちゃん』

現代語化

「人をだますようなきれいな顔をしたハイカラ野郎は延岡にいないから……ってあなたが言ったでしょ?」
「うん」
「ハイカラ野郎だけでは足りないよ」
「じゃ何て言うんだ?」
「ハイカラ野郎の、ペテン師の、イカサマ師の、猫かぶりの、香具師の、モモンガーの、岡っ引きの、わんわん鳴けば犬も同然なやつってでも言えばいい」
「俺には、そんなに口が回らないよ。あなたは弁が立つね。そもそもたくさんの言葉をよく知ってる。それで演説ができないなんて不思議だ」
「これは喧嘩のときに使う言葉だから、念のために覚えておくんだ。演説ではこうは言わないよ」
「そうかな。でもぺらぺら出てくるよ。もう一度言ってみて」
「何度でも言うけどいいかい。――ハイカラ野郎のペテン師の、イカサマ師の……」

原文 (会話文抽出)

「美しい顔をして人を陥れるようなハイカラ野郎は延岡に居らないから……と君は云ったろう」
「うん」
「ハイカラ野郎だけでは不足だよ」
「じゃ何と云うんだ」
「ハイカラ野郎の、ペテン師の、イカサマ師の、猫被りの、香具師の、モモンガーの、岡っ引きの、わんわん鳴けば犬も同然な奴とでも云うがいい」
「おれには、そう舌は廻らない。君は能弁だ。第一単語を大変たくさん知ってる。それで演舌が出来ないのは不思議だ」
「なにこれは喧嘩のときに使おうと思って、用心のために取っておく言葉さ。演舌となっちゃ、こうは出ない」
「そうかな、しかしぺらぺら出るぜ。もう一遍やって見たまえ」
「何遍でもやるさいいか。――ハイカラ野郎のペテン師の、イカサマ師の……」


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