芥川龍之介 『河童』 「クラバック、弾け! 弾け!」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 芥川龍之介 『河童』

現代語化

「クラブ、弾け!弾け!」
「警官、ひどいな」
「どうしたの?」
「これですか?これはこの国じゃよくあることです。もともと絵とか小説とかは...」
「もともと絵とか小説とかってのは、誰が見ても何を言ってるのかわかるはずだから、この国じゃ発売禁止とか展示禁止とかはしません。その代わりにあるのが演奏禁止です。だって、音楽ってのは、どんなに風紀を乱す曲でも、耳のない河童にはわかんないですからね」
「でもあの警官って耳ありますよね?」
「うーん、それは疑問ですね。たぶん今の曲を聞いてたら、奥さんと寝てる時の心臓の鼓動でも思い出したんじゃないですか?」

原文 (会話文抽出)

「クラバック、弾け! 弾け!」
「警官横暴」
「どうしたのです?」
「これですか? これはこの国ではよくあることですよ。元来画だの文芸だのは……」
「元来画だの文芸だのはだれの目にも何を表わしているかはとにかくちゃんとわかるはずですから、この国では決して発売禁止や展覧禁止は行なわれません。その代わりにあるのが演奏禁止です。なにしろ音楽というものだけはどんなに風俗を壊乱する曲でも、耳のない河童にはわかりませんからね。」
「しかしあの巡査は耳があるのですか?」
「さあ、それは疑問ですね。たぶん今の旋律を聞いているうちに細君といっしょに寝ている時の心臓の鼓動でも思い出したのでしょう。」


青空文庫現代語化 Home リスト