佐々木味津三 『右門捕物帖』 「男でない人間のことを、昔から女っていうん…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 佐々木味津三 『右門捕物帖』

現代語化

「男性じゃない人間のことを、昔は女っていうんだ。そういう人がいるはずだけど、何人くらいいるんだ」
「3人しかいないって言ってましたよ」
「どういう3人なんだ」
「1人はご飯を炊く老婆で、残りの2人は姉妹で、姉が21歳、妹が16歳だとか言ってました」
「その姉妹が、つまり小田切のお腰元なんだな」
「お腰元もなにも、女の子はあの3人だけ。男の人は、例の年寄りとおっさん、それに玄関番の3人で、奥さんはもう亡くなったって言うんだから、あの姉妹が色々とお腰元の代わりをしてるんでしょうけど、でも、その娘たちは身内みたいなもんだって言ってましたよ。なんだっけな、小田切のおっさんの姪の姪っ子だとか、いとこの娘とかで、とにかく血縁があるって言ってました」
「その2人の娘について、何か変わったことは聞かなかったか」
「それがですね、旦那にそう言われて、今ふっと思い出したんですけど。なんでも、その姉娘はすっごい美人だそうなんですが、なぜか5、6日前から急にキツネに憑かれたそうなんです」

原文 (会話文抽出)

「男でない人間のことを、昔から女っていうんだ。そういう人間がいるはずだが、いくたりぐれえだ」
「たった三人きりだっていいやしたよ」
「どういう三人だ」
「ひとりは飯たきばばあ、あとのふたりはきょうだい娘で、姉は二十一、妹は十六だとかいいやしたがね」
「その姉妹が、つまり小田切のお腰元なんだな」
「お腰元にもなんにも、女のけはその三人。男のけは、例のおやじと、小田切のだんなと、もうひとり玄関番の三人きりで、ご内室はとうになくなったっていうんだから、いずれその姉妹がいろいろとお腰元代わりをするんでがしょうがね、しかし、その娘たちゃ身内同然だといいましたぜ。なんですか、小田切のだんなの姪の姪に当たるとか、いとこの娘だとかで、ともかくも血筋引いてるといいましたからね」
「そのふたりの娘について、なんぞ変わったことは聞かなかったか」
「それがでさあ、だんなにそういわれて、今ふいっとあっしも気がつきやしたがね。なんでも、その姉娘はすばらしい器量よしだそうなが、どうしたことか、ついこの五、六日まえから急にきつねつきになったそうでがすよ」


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