GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 佐々木味津三 『右門捕物帖』
現代語化
「そうそう、お葬式といえば、さっき出かける時に番所に、変な訴えを持ってきた坊さんがいたよ。小石川の仁光寺って寺らしいんだけど、昨日の夜に裏の墓を荒らされて、2体の死体が胴切りにされてたって」
「へえ、死体か。このお盆の真っ最中に、また薄気味悪いイタズラする奴が出てきたもんだな。何か恨む理由があったのかな」
「ところが、ただのイタズラだっていうんだ。当番の者の話し合いでは、わざわざ取り上げるようなことじゃないらしいんだけど、その荒らされた墓って、ぴったり同じ4、5日前に亡くなったばかりの新墓で、しかも2体とも女の死体だっていうんだ。イタズラにしても、ちょっと色っぽいよな」
「そうだよな。女が2人とも美人姉妹とかで、胴切りが恋にまつわる恨みとかだったら、ありきたりな小説でも見たことない話だが」
原文 (会話文抽出)
「ほんとうに、いやんなっちまうな。いくら木魚庵だからって、これじゃまるでお通夜に来たようなもんじゃござんせんか」
「そうそう、お通夜といえば、さっき出がけにお番所へ、妙な訴えをもってきたお坊さんがあったぜ。なんでも、小石川の仁光寺とかいうお寺なんだそうだが、ゆんべのうちに裏の墓をあばいて、二つばかり死骸を胴切りにしていったものがあったそうだよ」
「ほう、死骸をね。このお盆のさいちゅうに、またうすっ気味のわるいいたずらするやつがあったものだな。なんぞ恨みの筋でもありそうなほしなのかい」
「ところが、どうもただのいたずらだろうというんでね。勤番の者の評定じゃ、べつに取り上げるようなけしきを見せなかったっけが、でも、そのあばかれた墓っていうのが、そろいもそろって四、五日まえに仏となった新墓で、そのうえに二つとも死骸は女だというんでね。いたずらにしても、ちっといろけがあるように思われるんだがね」
「そうよな、女がふたりとも小町娘の姉妹かなんかで、胴切りがまた恋のさか恨みとでもいうのなら、めったな草双紙でも見られない筋だがな」