佐々木味津三 『右門捕物帖』 「てかてか顔のほてっているところを見ると、…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 佐々木味津三 『右門捕物帖』

現代語化

「真っ赤になってるけど、またひのき稲荷で般若湯飲んで来たんだろ」
「冗、冗談じゃないっすよ。急いで走ってきたから赤くなったんですって」
「急いでって、何があったんだよ」
「鉄山殺しの居場所がわかったんすよ」
「え、わかったの?どこだよ、どこ」
「なんか手柄を立てなきゃ、罪ほろぼしができないと思ってさ。あのボロ寺でも住職のおかげで、今朝檀家の縁日商人を掻き集めて、江戸中調べたら、耳のない浪人で『くま』って名前の奴が、檻に2匹のくま入れて、今日から3日間、四谷の毘沙門様で縁日興行を始めるって言うんですよ」
「そうか、さすが坊主だな。よく手柄立ててきたよ。じゃあ、伝六さん、今度こそ本当に十手の準備がいるぜ!」

原文 (会話文抽出)

「てかてか顔のほてっているところを見ると、またひのき稲荷へ回って、般若湯でも用いてきたな」
「冗、冗談じゃございませんよ。こりゃ、大急ぎに駆けてきたので、赤くなったんでござんすよ」
「大急ぎとは何が出来したのじゃ」
「鉄山殺しの居どころがわかったんでござりますよ」
「なに、わかった? どこじゃ、どこじゃ」
「ここでなにかてがらをたてなきゃ、罪ほろぼしができないと存じましたからな。あんなぼろ寺でも住職のありがたさに、けさほど檀家の縁日あきんどを狩りたてて、江戸じゅう総ざらえをいたさせましたら、耳なし浪人くまの檻を引き連れて、きょうから向こう三日間、四谷の毘沙門さまの境内で、縁日興行を始めているというんですよ」
「そうか、さすがは仏に仕える者じゃ。よくてがらをたててまいった。では、伝六ッ、今度こそはほんとうに十手の用意がいるぞッ」


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