GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 谷崎潤一郎 『痴人の愛』
現代語化
「いや、まだなんだけど、森川さんは？」
「俺は一昨日から酒ばっか飲んでて飯をほとんど食べてなかったから、今になって腹ペコ」
「そらそうでしょ。そんな無茶しないでくださいよ。体を壊しちゃダメですよ」
「大丈夫、君のおかげで悟ったから、もう無茶なんてしないよ。俺、明日から生まれ変わった人間になる。会社にもちゃんと行く」
「ああ、そっちの方が気が紛れますよ。俺も失恋したとき、なんとか忘れようと思って、一生懸命音楽やってました」
「音楽ができるなら、そういう時はいいよね。俺にはそんな才能ないし、会社でコツコツ頑張るしかない。にしても腹減ったね。どっかで飯でも食べよっか」
原文 (会話文抽出)
「浜田君、君は昼飯をたべたんですか」
「いや、実はまだですが、あなたは？」
「僕は一昨日から、酒は飲んだが飯は殆どたべないんで、今になったら非常に腹が減って来ました」
「そりゃそうでしょう、そんな無茶をなさらない方がよござんすね、体を壊しちゃつまりませんから」
「いや、大丈夫、君のお蔭で悟りを開いちまったから、もう無茶な事はしやしません。僕は明日から生れ変った人間になります。そうして会社へも出る積りです」
「ああ、その方が気が紛れますよ。僕も失恋した時分、どうかして忘れようと思って、一生懸命音楽をやりましたっけ」
「音楽がやれると、そう云う時にはいいでしょうなあ。僕にはそんな芸はないから、会社の仕事をコツコツやるより仕方がないが。―――しかしとにかく腹が減ったじゃありませんか、何処かで飯でも喰いましょうよ」