谷崎潤一郎 『痴人の愛』 「綺羅子を呼んで来い」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 谷崎潤一郎 『痴人の愛』

現代語化

「綺羅子呼んできて」
「浜さん、黙ってないで何か言ってよ。…あの、綺羅子さんて何?いつから浜さんと友達なの?」
「私?」
「つい最近ですの」
「あたくし」
「わたくし」
「さっき拝見しましたが、すごく上手ですね。相当習ったんですか?」
「いえ、私はやることは前からやってますけど、全然上手くならないんですよ。不器用なので…」
「あら、そんなことないですわ。ねえ浜さん、どう思います?」
「そりゃ上手いでしょうよ。綺羅子さんは女優養成所で本格的に練習してるんだから」
「まあ、そんなこと言わないで」
「でもほんとにお上手よ。見てきたところ、男で一番上手いのは浜さん、女で一番上手いのは綺羅子さん…」
「まあ」
「何だよ、ダンスの品評会かい?一番うまいのは絶対俺だろ…」

原文 (会話文抽出)

「綺羅子を呼んで来い」
「浜さん、黙っていないで何か仰っしゃいよ。―――あの、綺羅子さんは何ですか、いつから浜さんとお友達におなりになって?」
「わたくし?」
「ついこの間からですの」
「あたくし」
「わたくし」
「今拝見しておりましたけれど、随分お上手でいらっしゃいますのね、よっぽどお習いになりましたの?」
「いいえ、わたくし、やる事はあの、前からやっておりますけれど、ちっとも上手になりませんのよ、不器用だものですから、………」
「あら、そんなことはありませんわ。ねえ浜さん、あんたどう思う?」
「そりゃ巧い筈ですよ、綺羅子さんのは女優養成所で、本式に稽古したんだから」
「まあ、あんなことを仰っしゃって」
「でもほんとうにお上手よ、見わたしたところ、男で一番巧いのは浜さん、女では綺羅子さん………」
「まあ」
「何だい、ダンスの品評会かい?)で一番うめえのは何と云っても己じゃねえか。―――」


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