佐々木味津三 『右門捕物帖』 「見れば、この新画の落款には栄湖としてある…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 佐々木味津三 『右門捕物帖』

現代語化

「見てみると、この新画の落款には『栄湖』とあるようだが、栄湖というのはあの四条派の久和島栄湖だろうな」
「はい。新画番付では三役どころの画家だそうです」
「すると、相当な値打ちのものだな」
「はい。よそから祝儀でいただいたので値段を付けるのもおかしいですが、安い品ではありません」
「では、箱ぐらい付いていそうなものだが、どうしたことか、これは無箱のようだ」
「いえ、無箱ではありません。ちゃんと箱に入れて持ってきてくれたのですが、途中で間に合わせに調達したものなので、まだ箱書きができていないからと申しまして、鳶頭が箱だけ――持ち帰ったのですよ」

原文 (会話文抽出)

「見れば、この新画の落款には栄湖としてあるようじゃが、栄湖というのはあの四条派の久和島栄湖であろうな」
「へえい。新画番付では三役どころの画工だそうにござります」
「すると、相当な値ごろのものじゃな」
「へえい。よそから祝儀にいただいて値ぶみをするのも変なものでござりまするが、安い品ではござりませぬ」
「では、箱ぐらいついていそうなものじゃが、どうしたことか、これは無箱のようではないか」
「いいえ、無箱ではござりませぬ。ちゃんと箱に入れて持ってきてくれたのでござりまするが、途中でまにあわせに買いととのえたもので、まだ箱書きがしてございませんからと申しまして、鳶頭が箱だけを――持ち帰ったのでござりまするよ」


青空文庫現代語化 Home リスト