佐々木味津三 『右門捕物帖』 「いや、おことば、いまさらのごとくてまえも…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 佐々木味津三 『右門捕物帖』

現代語化

「いや、お言葉、今さらながら私も恥ずかしく思います。あなたからそんなにあっさり言われると、私も勇気を出してお願いすることができますが、どうでしょうか。今度こそは、本当に肝に銘じていますので、これまでの失礼な言動はすべて水に流していただき、私の命をお助けいただくことはできませんでしょうか。この通り、土下座してお願いいたしますが……」
「恐れ入ります。お手を上げてください。もう十分です。こうやってあなたが来てくれただけでもわかりますので、もうこれ以上はおっしゃらないでください――中仙道はどこまで行かれたかわかりませんが、暑い中、大変な思いをされましたね」
「そうおっしゃるということは、脱獄犯の行く先がわかっているということですか!」
「その通りです。中仙道に行こうと、東海道に行こうと、あるいは唐や天竺まで捜し回っても、あいつを見つけることは難しいでしょうよ」
「そうですか、ありがたい! では、敬四郎に1つだけお願いがあります。どうか、力を貸してください。あなたのことですからもうご存知かと思いますが、あいつを逃がすと、切腹ものですので」
「はい、よくわかっております。もしかしたら、蛇と一緒に大蛇が出てくるかもしれませんから、今から私と一緒にお越しください」

原文 (会話文抽出)

「いや、おことば、いまさらのごとくてまえも恥じ入ってござる。貴殿にそう淡泊に出られると、てまえも大いに勇気づいてお願いができるしだいじゃが、どうでござろう。今度という今度は、ほとほとてまえも肝に銘じてござるから、今までの失礼暴言はさらりと水にお流しくだすって、てまえの命をお助けくださるわけにはいくまいかな。このとおり、手をついての願いでござるが……」
「もったいない。お手をあげくだされませ。もうじゅうぶんにてまえには、こうやってご貴殿のお越しなさることまでもわかってでござりますによって、どうぞもうそれ以上はおっしゃらずに――、中仙道はどこまでお越しでござったか存じませぬが、暑い中を、ひどいめにお会いでござりましたな」
「そう申さるるところをみると、では破牢罪人の行く先、ご貴殿にはもうわかってでござるか!」
「さようにござります。中仙道へ参ろうと、東海道へ参ろうと、ことによったら唐天竺までお捜しなすっても、ちょっとあいつめを見つけること困難でござりましょうよ」
「さようか、ありがたい! では、敬四郎一期のお願いじゃ。なにとぞ、お力をお貸しくださらぬか。貴殿のことだからもうご存じでござろうが、あいつめをてまえが逃がすと、切腹ものでござるからな」
「ええ、ようわかってでござります。ひょっとしたら、へびといっしょに蛇が飛び出すかもしれませぬから、どうぞ今からごいっしょにお越しくだされませ」


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