佐々木味津三 『右門捕物帖』 「虫けらみたいな了見のせめえ野郎を相手に、…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 佐々木味津三 『右門捕物帖』

現代語化

「小物と張り合ってもケチくさいぜ。それより釣りでも行こう」
「え?でもお頭、私はどうなりますの?」
「当たり前だろ。裏切られただけじゃ負けてねえからな。品川で夕釣りでもしようぜ。小バカにしてるやつが多いけど、秋のハゼは川魚みたいでおつなもんよ」
「でもそんな呑気にしてると、あいつに手柄とられちゃいますよ」
「負けて恥ずかしいかもしれないが、寝棺で脱走できた腕前だと、あのハゲの知恵じゃ通用せんかもしれねえ。あいつのほうに一日の長があるみたいだ。知恵者は静観してろって言うし、また何か俺じゃなきゃ判断できねえことが起きるだろう。ゆっくり釣りでもしてろよ」
「そうでしたっけ。じゃあついでにあの変な看板も持って来ましょっか」

原文 (会話文抽出)

「虫けらみたいな了見のせめえ野郎を相手に、刺し違えたってしようがねえや。それより、はぜつりにでもいこうぜ」
「えッ。じゃ、じゃ、だんなはどうあっても、あっしにおいとまをくださらないんですかい!」
「あたりめえだ。非人を横取りされたからって、なにもまだ勝負に負けたわけじゃねえんだからな。品川辺へでも夕づりに出かけようよ。ざらにつれるさかなだから、みんな小バカにしているようだが、秋口のはぜのてり焼きときたら、川魚みたいでちょっとおつだぜ」
「でも、そんなのんきなまねをしなすって、もしあばたの野郎にてがらされっちまったら、だんなまでがいい恥さらしじゃござんせんか」
「負けたら恥っさらしかもしらねえが、寝棺で破牢した手口なんぞから見るてえと、このほしゃあばたのやつの知恵だけじゃ、ちっともてあますかもしれねえよ。どうやら、向こうのほうが一枚役者が上のようだからな。知者は寝て暮らせといってな、そのうちにまた何かおれでなくちゃ判断のつかねえようなことが起きるかもしれねえから、大船に乗った気で、ゆっくりはぜつりでもするさ」
「そうでござんすか、じゃ、ついでにあの変な立て札をもってきて、お目にかけておきゃあようござんしたね」


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