佐々木味津三 『右門捕物帖』 「ちょっと承りたいことがありまして参じまし…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 佐々木味津三 『右門捕物帖』

現代語化

「ちょっと承りたいことがありまして参りましたが、もしや、昨日伝馬町の平牢から、死人となって出た者はござりませんか?」
「ああ、ありましたよ、ありましたよ。まだ宵のうちでしたがな。もう長いこと労咳で私が面倒を見ていた無宿者の老人が、急に昨日変が来たということで呼び迎えに参ったのでな。行くにはあたるまいとも存じましたが、役儀の都合でそうもいかないでしょうから、検死してすぐに非人どものほうへ下げ渡させましたわい」
「そのとき、何かお気づきのことはござりませんか?」
「さようでございます。死因は確かに病気で、ほかに不審と思われた点はありませんが、身寄りもない無宿者に、誰がそんな手回しのいいことをしたものか、棺にして運び出したようでしたよ」
「え? 棺でございましたとな!」
「さようでございます、それも2人分くらいはゆっくり入れそうな大きい寝棺でしたよ」

原文 (会話文抽出)

「ちょっと承りたいことがありまして参じましたが、もしや、ゆうべ伝馬町の平牢から、死人となって出た者はござりませなんだか」
「ああ、ありましたよ、ありましたよ。まだ宵のうちじゃったがな。もう長いこと労咳でわしがめんどうみていた無宿者の老人が、急にゆうべ変が来たというて呼び迎いに参ったのでな。行くにはあたるまいとも存じたが、役儀のてまえそうもなるまいから、検診してさっそく非人どものほうへ下げ渡させましたわい」
「そのとき、なんぞお気づきのことはござりませなんだか」
「さようのう。死因はたしかに病気じゃったし、ほかに不審とも思われた節はないが、身寄りもない無宿者に、だれがそんな手回しのいいことをしたものか、棺にして運び出したようでござりましたよ」
「え? 棺でござりましたとな!」
「さよう、それもふたり分ぐらいはゆっくりはいれそうな大きい寝棺でしたよ」


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