佐々木味津三 『右門捕物帖』 「なんでえ。おれがピカピカッと二、三べん目…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 佐々木味津三 『右門捕物帖』

現代語化

「なんでさ。俺がピカーッと2、3回目を光らせると、すぐネタが上がっちまうんだぜ。自分でもちょっとあっさりしすぎてるくらいだよ。じゃ、1つ、お前らに目の保養をさせてやるかな」
「これ、親父」
「はい」
「私はさっきここに犯人を捕まえに来たむっつり右門の師匠――というと少し口が過ぎるが、まあ、それに近い者なんですが、何か右門が見落としたところはないかと、わざわざ調べて来たんですが、うち見たところ、やっぱりさっきのあの娘が犯人と決まったのでな、引き上げるついでに、と申せば腹が立つかも存じませんが、ご覧の通り私たちは普段つまらない番所の勤めをしてる悲しさに、めったなことでは色っぽい娘軽業師の曲芸なんか見られねえ身分なもんでな、せっかくここまで来たついでに目の保養に、梅丸竹丸両人の色っぽい竹棒渡りを1度見せてはくれないかな」
「はい、そりゃもう、ぜひに見せろとおっしゃいますので見せもいたしますが、なにしろこの騒ぎのあとですから、それにもう夜も更けていますのでな、本人たちがなんと申しますか」
「そこを1つ無理して頼むんだがな。別に役人風を吹かせるわけじゃないが、この通り奉行所の者がわざわざ頼みなんだから、両人の者にもその旨を申し伝えて、1つの目の保養をさせてはくれないかな」
「かしこまりました。そうわざわざおっしゃってくださるなら、私が申し伝えましょう」

原文 (会話文抽出)

「なんでえ。おれがピカピカッと二、三べん目を光らすと、じきにもうネタが上がっちまうんだからな。われながらちっとあっけなさすぎるくれえだよ。ではひとつ、おめえらに目の保養をさせてやるかな」
「こりゃ、おやじ」
「へえい」
「わしは先ほどここへ下手人を召し取りに参ったむっつり右門のお師匠――というと少し口はばったいが、まま、それに近い者じゃがな、なにか右門めが見落としたところはないかと、せっかくこうして調べに参ったが、うち見たところ、やはり先ほどのあれなる娘が下手人と決まったのでな、引き揚げるついでに、と申さば腹がたつかも存ぜぬが、見らるるとおりわれわれは平生ぶこつなご番所勤めをいたす悲しさに、めったなことではあでやかな娘かるわざ師の曲芸なぞは拝見できぬ身じゃでな、せっかくここまで参ったついでの目の保養に、どうじゃろうな、梅丸竹丸ご両人のあでやかな竹棒渡りを一見させてはくれまいかな」
「へえい、そりゃもう、ぜひに見せろとおっしゃいますれば見せもいたしまするが、なにしろこの騒ぎのあとではござりまするし、それにもう夜ふけでござりますのでな、本人どもがなんと申しますか」
「そこをひとつ無理して頼むのじゃがな。べつに役人風を吹かすわけではないが、このとおり奉行所の者が事を割っての頼みじゃから、両人の者にもその旨を申し聞けて、ひとつ目の保養をさせてはくれまいかな」
「よろしゅうござります。そう事を割ってのおことばならば、いかにもてまえが申し聞かせましょう」


青空文庫現代語化 Home リスト