芥川龍之介 『犬と笛』 「お前は仲々笛がうまいな。己はずっと昔から…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 芥川龍之介 『犬と笛』

現代語化

「お前は笛がすごく上手いな。俺はずっと昔から山奥の洞窟で、神代の夢ばかり見てたけど、お前が木を切りに来るようになってから、その笛の音に誘われて、毎日楽しい思いをしてた。だから今日はそのお礼に、わざわざここまで来たから、何でも好きなものを望めばいいよ」
「私は犬が好きなので、どうか犬を1匹ください」
「たった1匹の犬をくれとか、お前もかなり欲がないやつだな。でもその欲がないのも感心できるから、ほかにはいないような不思議な犬をくれてやるよ。こう言う俺は、葛城山の足1つの神だ」
「これは名を嗅げと言って、どんな遠い場所のことでも嗅ぎ出してくる利口な犬だ。じゃ、一生俺の代わりに大事に飼ってくれ」

原文 (会話文抽出)

「お前は仲々笛がうまいな。己はずっと昔から山奥の洞穴で、神代の夢ばかり見ていたが、お前が木を伐りに来始めてからは、その笛の音に誘われて、毎日面白い思をしていた。そこで今日はそのお礼に、ここまでわざわざ来たのだから、何でも好きなものを望むが好い。」
「私は犬が好きですから、どうか犬を一匹下さい。」
「高が犬を一匹くれなどとは、お前も余っ程欲のない男だ。しかしその欲のないのも感心だから、ほかにはまたとないような不思議な犬をくれてやろう。こう言う己は、葛城山の足一つの神だ。」
「これは名を嗅げと言って、どんな遠い所の事でも嗅ぎ出して来る利口な犬だ。では、一生己の代りに、大事に飼ってやってくれ。」


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