佐々木味津三 『右門捕物帖』 「ね、だんな、どうですい。あっしの鉄砲玉だ…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 佐々木味津三 『右門捕物帖』

現代語化

「ねぇ、旦那、どうっすか? 俺の鉄砲玉だって、たまには的に当たるでしょ」
「おう、来てくれたか。ご苦労だな」
「あっ――、暗くてよくわかりませんが、さっき手紙をくれた旦那ですよね。家に帰ってみると、いつもらったのか、懐にそれが入っていて、俺もびっくりしちゃいましてね」
「そうかい。とんでもない失礼をしてすまなかったが、知っての通り、ちょっと内密に頼んだ仕事だったものだから、人に見とがめられると後で怖いと思ってな、ちょっとばかり変装したまでさ」
「ええ、そうでしょう。確かにそうですよね。あのときもそんな話でしたからね。ところで、手紙によるとうまくいったようですが、あの浪人は本当にあれで死んだんですか?」
「死んだからこそ、こうして礼に来たんだ。ところで、あのときゃいくら礼金をやるって約束をしたっけな」
「3両――確かに3両っておっしゃいましたよ。だから、俺は欲に負けて、今来るか、今来るかと思いながら、やることもないのにあの八幡の境内で、今日まで旦那の手紙を待ってたんですぜ」
「そうか、気の毒だったな。じゃ、とりあえずその3両を先に渡そうから、手を出しなよ」
「ありがたいなぁ。久しぶりで小判の顔を見られますかね――」
「いてえ! な、な、何をすんでえ!」
「バカ野郎! 調子に乗っかって、べらべらと生意気なこと言ってやがって――俺を誰と思ってるんだ。八丁堀のむっつり右門っていう名前くらいは聞いてるだろうから、じたばたせずに付いてこい!」

原文 (会話文抽出)

「ね、だんな、どうですい。あっしの鉄砲玉だって、たまにゃ的に当たりやしょう」
「おう、来てくだすったか。ご苦労だな」
「あっ――、暗くてよくわかりませんが、さきほど書面をくださっただんなですね。うちにけえってみると、いつもらったものか、ふところにあいつがへえっていたもんだから、あっしもびっくりしちゃいましてね」
「そうかい。とんだおつなまねしてすまなかったが、知ってのとおり、ちと内密に頼んだ仕事だったものだから、人に見とがめられちゃあとぐされが恐ろしいと思ってな、ちょっとばかり隠し芸をしたまでさ」
「ええ、そうでがしょう。大きにそうでがしょう。あのときもそういうお話でしたからね。ところで、ご書面によるとうまくいったとありますが、あの浪人者はほんとうにあれで死にましたかい」
「死んだからこそ、こうやってお礼に来たんだ。ときに、あのときゃいくら礼金をやるって約束をしたっけな」
「三両――たしかに三両っておっしゃいましたよ。だから、あっしゃ欲にかまけて、いまに来るか、いまに来るかと思いながら、はやりもしないのにあの八幡の境内で、きょうが日までだんなのおたよりを待っていたんですぜ」
「そうか、きのどくでしたな。じゃ、とりあえずその三両を先にやっておこうから、手を出しなよ」
「ありがてえなあ。久しぶりで小判の顔が拝まれますかね――」
「いてえ! な、な、なにするんでえ!」
「バカ野郎! 調子につられて、つべこべとどろ吐きやがって――おれをだれと思ってるんだ。八丁堀のむっつり右門といや名ぐれえは聞いているだろうから、じたばたせずについてこい!」


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