GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 佐々木味津三 『右門捕物帖』
現代語化
「そうだ。まさにあの小娘だよ。どうだい、おまえの胸も、少しは晴れたろう」
「晴れました、晴れました。富士の風穴にでも入ったようですよ。さすがは旦那だけあって、やることに抜かりがありません。なるほどね。じゃ、昨日からのこの小娘の様子を見て、何か事件があるって思ったんですね」
「当たり前だよ。わざわざ右門を訪ねようとしてきたのもおかしいし、2度も訪ねてきて2度とも帰ってしまったってことはな、恥ずかしいよりもよっぽどでかい事件で、訴えることが怖いんだって思ったんだ。だから今日もまた訪ねてくると思って、子どもは子ども同士、お糸坊をちょっと餌にしたんだ。――ねぇ。嬢ちゃん、さ、言ってみなさい。もうおじさんがついてるんだから、鬼の首だって取ってあげるから、隠さずに言いなさい」
原文 (会話文抽出)
「ね、だんな! ね、だんな! こ、こりゃ、ゆうべときょう、だんなをたずねてきたあの小娘じゃござんせんか」
「そうさ。まさに判然とあの小娘だよ。どうだい、おまえの胸も、ちっとはすっとしたろう」
「しました、しました。富士の風穴へでもへえったようですよ。さすがはだんなだけあって、やることにそつがねえや。なるほどな。じゃ、なんですね、きのうからのこの小娘のそぶりをお聞きなすって、ひと事件あるなっとおにらみなすったんですね」
「あたりめえよ。わざわざ右門を目ざしてたずねてきたのもおかしいが、二度もたずねて二度とも帰ってしまったなあ、恥ずかしいよりもよくよくでかい事件なんで、訴えることがおっかねえんだなとにらみがついたから、きょうもてっきりまたたずねてくると思って、子どもは子どもどうしに、お糸坊をちょっとえさに使ったんだ。――な。嬢や、さ、いってみな。このとおり、もうおじさんがついているからにゃ、鬼の首だって取ってあげるから、隠さずにいってみなよ」