佐々木味津三 『右門捕物帖』 「なるべく大きな音をさして家へはいれよ」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 佐々木味津三 『右門捕物帖』

現代語化

「なるべくデカい音を立てて家に帰れよ」
「イヤだなぁ。じゃ、枕と蚊帳はこの家で使うんですか?」
「当たり前だろ。この草むらじゃ蚊が多いだろうと思って、わざわざ持ってきたんだ。八丁堀のゴミゴミしてる所と違って、この広っぱは静かだぜ」
「ちぇ。静かすぎて、もう脇の下がゾワゾワしてるっすよ」
「じゃ、おめえさん一人でお帰りなさいまし」
「またそれですか。俺が一人でお帰りになんかできるくらいなら、旦那ににしがみついてませんよ。ばかばかしい。夏場とはいえ、化け物屋敷に寝に来るなんて、やりすぎですよ。しょうがねえな。もうこうなったら、旦那と心中覚悟で泊まらせてもらいますけど。それにしても、わざわざでかい音を立てる必要ないんじゃねえっすか? 寝てる化け物まで目が覚めちゃいますよ」
「起こしてほしいから、わざと音を立てるんだよ。な、ほら、こうやって咳をするんだ」

原文 (会話文抽出)

「なるべく大きな音をさして家へはいれよ」
「いやんなっちまうな。じゃ、まくらと蚊やりはこの家で使うんですかい」
「あたりめえだ。この草むらじゃさぞかし蚊が多いだろうと思ってな、それでわざわざ用意してきたんだ。八丁堀のごみごみしているところとは違って、この広っぱならしずかだぜ」
「ちえッ。静かにもほどがごわさあ。あんまり静かすぎて、あっしゃもう、このとおりわきの下が冷えていますよ」
「じゃ、おめえさんおひとりでおけえりなせえましよ」
「またそれだ。あっしがひとりでけえられるくらいなら、だんなにしがみついちゃいませんよ。ばかばかしい。いくら夏場だって、化け物屋敷へ寝にくるなんて酔狂がすぎまさあ。しかたがねえ、もうこうなりゃ、だんなと相対死にする気で泊まりやすがね。それにしても、わざわざでけえ音をたてるこたあねえんじゃござんせんか。寝ている化け物までが目をさましますぜ」
「さましてほしいから、わざと、音をたてるんだよ、な、ほら、こういうふうにしてへえるんだ」


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