佐々木味津三 『右門捕物帖』 「あぶねえあぶねえ、いまひと足おくれたら、…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 佐々木味津三 『右門捕物帖』

現代語化

「やべえやべえ、あと一歩遅かったら、俺らもこのクソ寒いのに追っかけまわされてたかもしんねえな」
「え? じゃ、アイツらばれちまったのに気付いて、逃げ出す手はずを整えてたってことですか?」
「そうだろ、この乱暴な雪駄の脱ぎ方を見てみろよ。3足とも、こっちに1足、あっちに1足とバラバラになってっから、持ち主が慌てて走ってきて、慌てて履き替えたのがバレバレだぜ。しかも、どれもこれもインデン緒でに金ピカの二枚裏だろ?多分、この持ち主は遊び仲間の旗本連中だよ。その上、まったく泥が付いてない新しいわらじが、履くの待ちでこっち向いて並んでるってことは、アイツらが逃げるつもりで、急いで仲間を呼んだってことじゃねえか」
「なるほどね。じゃあ、ここで待ち伏せてやりますか?」
「おう。もしかしたらアイツら、刀を抜くかもしんねえから、十手の手入れしとけよ」

原文 (会話文抽出)

「あぶねえあぶねえ、いまひと足おくれたら、おれたちもこの寒空に旅へ出かけなきゃならなかったかもしれねえぜ」
「えッ。じゃ、野郎め、事のバレたのをかぎつけやがって、逐電の用意をしているとでもいうんですかい」
「そうさ、この不行儀な雪駄の脱ぎぐあいをまずよく見ねえな。三足が三足ともに、あっちへ一方、こっちへ一方飛び飛びになっているところをみると、どうやらはき主があわてて駆けつけて、あわてて駆け上がったらしい様子だよ。しかも、見りゃどれもこれも印伝鼻緒で、金めらしい二枚裏だからな。おそらく、このはき主ゃ、道楽仲間の悪旗本連だよ。そのうえに、土のちっともつかねえ真新しいわらじが、はくのを待つばっかりでこちらむきにそろえてあるとすりゃ、野郎が逐電の覚悟をつくりゃがって、大急ぎに道楽仲間を呼び寄せたとしきゃ読めねえじゃねえか」
「いかさまね。じゃ、ここで待ち伏せしててやりましょうか」
「ああ。しだいによると、野郎たちダンビラ抜くかもしれんから、十手の用意をしておくがいいぜ」


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