佐々木味津三 『右門捕物帖』 「ゆうべお貸し下げの弓とか申すあの小女は、…

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青空文庫図書カード: 佐々木味津三 『右門捕物帖』

現代語化

「昨日貸してあげた弓っていう小娘は、殿様のお腰元ですか」
「そうだ。城中一の美女で、まだつぼみのままだが、欲しければ江戸へのお土産にやってもいいぞ」
「またまた冗談を、そんな浮ついた話じゃないんです。あの子の素性をご存じですか」
「詳しくは知らんが、この濠の向こうの仁念寺って寺の養女らしいぞ」
「え! お寺! お寺なんですか!」
「そうだ――住職が大の碁好きらしい。それから、あの子に、もう1人有名な臆病者の唖の兄がいて、どういうわけか、その兄も一緒に養われてるんだって」

原文 (会話文抽出)

「ゆうべお貸し下げの弓とか申すあの小女は、殿さまのお腰元でござりまするか」
「さようじゃ。城中第一の美姫、まだつぼみのままじゃが、所望ならば江戸へのみやげにつかわしてもよいぞ」
「またしてもご冗談でござりますか、そのような浮いた話ではござりませぬ。あの者の素姓をご存じにござりまするか」
「よくは存ぜぬが、ついこの濠向こうの仁念寺という寺の養女じゃそうな」
「えっ! お寺! お寺でござりまするとな!」
「さよう――住持が大の碁気違いじゃそうでの。それから、なんでもあの小女に、もうひとり有名なおくびょう者じゃそうなが唖の兄とかがあって、どういうつごうでか、その兄もいっしょに養われているとかいうことじゃわ」


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