GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 佐々木味津三 『右門捕物帖』
現代語化
「えー? 女の子をこっそり連れて、舟遊びに行くってやつですか?」
「おう、それだよ」
「チェッ、そんなのなら、お前知ってっからスゲえな。生意気ながら、こう見えても江戸っ子ですよ。舟宿2、3軒知らねえでどーすんだ。深川ならどこの親戚も大体一緒ッすよ。まず一軒目は菱形屋でしょ。そこの屋台は3艘あるんだ。次が評判の一奴。そっから海月、丁字屋、舟吉だな。とりあえずこの5軒が最高っすよ」
「へー、詳しいな。遊んだことあんのか?」
「それが、その、そうなんスよ」
「はっきり言えや、遊んだことあんのか?」
「いや、その、去年潮干狩りに行った時に、おいらもこんなカッコイイ店で、5、6日ダラダラ昼寝してみたいなーと思って通りかかっただけなんスよ。その時の名前を覚えてるだけっす」
「なんだよ、情けない江戸っ子だな。じゃ、おいらが今から思いっきり昼寝させてやるから、小さくなってついて来いよ」
「えー、でも、深川の舟宿って、ちょっとやそっとじゃ出入りできないッスよ」
「ケチくせえこと言うなよ、みんな笑っちゃうだろ。小さくなって、しっぽ振ってついてきな」
「でも、肝心なホシはどうすんですか? 敬公だって急がなきゃでしょ? あいつ今頃ビビりまくってるってーのに。どっちかを先にお急ぎになったらどうッすか?」
「うるせえな、黙ってろ。おいらが動いてんのわかんねえのかよ。それより早く駕籠呼んで来いよ」
原文 (会話文抽出)
「きさま、深川筋で、どこか舟宿を知っていねえか」
「えッ? 舟宿というていと、よく女の子をこっそりつれて、舟遊山をやりに行くあの舟宿のことですかい」
「ああ、そうだよ」
「ちぇッ、そんなものなら、おめえ知っているかはすさまじいね。はばかりながら、こうみえてもいきな江戸っ子ですよ。舟宿の二軒や三軒知らねえでどうなるもんですかい。深川ならば軒並み親類も同様でさあ。まず第一は菱形屋でしょ。この家の持ち舟は屋台が三艘。つづいて評判なのは一奴。それから海月、丁字屋、舟吉とね、まず以上五軒が一流ですよ」
「ほほう、だいぶ博学だが、遊んだことでもあるのかい」
「ところが、その、それがつまりなんでしてね」
「はっきりいいなよ、遊んだことでもあるのかい」
「いいえ、その、なんですよ、去年潮干狩りに行ったとき、おれもこういういきな家で、五、六日しみじみと昼寝をしてみたいなと思いながら通ったんで、ついその今も名まえを忘れずにいるんですよ」
「なんでえい、情けねえ江戸っ子もあったもんだな。じゃ、おれが今から思いきり昼寝をさせてやるから、小さくなってついておいでよ」
「えッ、でも、深川の舟宿といやあ、ちっとやそっとのお鳥目じゃ出入りもかないませんぜ」
「しみったれたことをいうと、みなさんがお笑いになるよ。小さくなって、しっぽを振りながらついてきな」
「だって、肝心のホシゃどうするんですかい。それに、敬公のほうだっても急がなきゃならねえんでがしょう。どぶねずみみてえな野郎にゃちげえねえが、さぞやあいつ今ごろは生きた心持ちもしていめえからね。どっちかを先にお急ぎなすったらどうですかい」
「うるせえな、黙ってろよ。おれがお出馬あそばしているじゃねえか。それより、早く駕籠を呼んできな」