佐々木味津三 『右門捕物帖』 「大将ッ。おい、伝六大将ッ」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 佐々木味津三 『右門捕物帖』

現代語化

「大将ッ。おい、伝六大将ッ」
「えッ?」
「そこじゃねえ、後ろだよ、後ろだよ。俺じゃねえか、俺がわからねえのか」
「あっ、旦那さんでしたか! いいところへおいでなさいました。ちょっと、どうも不思議なことがあるんですがね」
「なんでえ。から傘小僧でも通ったのか」
「ちぇッ、俺が真面目な口をきくと、いちいちそれだからな。ね! 今、あばたのやつこが通ったんですよ」
「なにも不思議はねえじゃねえか。あいつにだって足は2本くっついてるぜ」
「きまってまさあ。その2本の足で、いやに目色を変えながら、走っていっちゃあがったから、一生懸命頭をひねってるんですよ」
「というと、なにかい、いくらか事件のにおいでもするというのかい」
「する筋あいじゃねえ、ひょっとすると、何かをでかしたんじゃねえかと思うんですがね。だって、あのやつこも今日は非番のはずでしょ。しかるにもかかわらず、今俺がここまで来たらね、ご番所のほうからあばたの奴の手下が、ふうふう言いながら駆けてきやがったから、はてなと思ってここへ隠れてるてえと、手下め、あばたのやつを連れ出して、またあっちへ目の色変えながら走っていったんですよ」
「いかにもな。ちょっと怪しいかな」

原文 (会話文抽出)

「大将ッ。おい、伝六大将ッ」
「えッ?」
「そっちじゃねえ、うしろだよ、うしろだよ。おれじゃねえか、おれがわからねえのか」
「あッ、だんなでござんしたか! いいところへおいでなさいました。ちっと、どうも不思議なことがあるんですがね」
「なんでえ。からかさ小僧でも通ったのか」
「ちぇッ、あっしがまじめな口をきくと、いちいちそれだからな。ね! 今、あばたのやつこが通ったんですよ」
「なにも不思議はねえじゃねえか。あいつにだって足は二本くっついてるぜ」
「きまってまさあ。その二本の足で、いやに目色を変えながら、走っていきゃあがったから、いっしょうけんめいで頭をひねっているんですよ」
「というと、なにかい、いくらか事件のにおいでもするというのかい」
「する段じゃねえ、ひょっとすると、何かでか物じゃねえかと思うんですがね。だって、あのやつこもきょうは非番のはずでがしょう。しかるにもかかわらず、今あっしがここまで来たらね、ご番所のほうからあばたの野郎の手下が、ふうふういいながら駆けてきやがったから、はてなと思ってここのところに隠れているてえと、手下め、あばたのやつを連れ出して、またあっちへ目の色変えながら走っていったんですよ」
「いかにもな。ちっとくせえかな」


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