芥川龍之介 『報恩記』 「跡はただ何事も、天主の御意次第と思うたが…

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青空文庫図書カード: 芥川龍之介 『報恩記』

現代語化

「後はもう何もかも、神様の思うままに任せるしかないと思うよ。――じゃ、釜が沸いてるからさ、お茶でも1杯淹れてもらおうよ?」
「はい。――でもまだ心残りなのは、――」
「さあ、それが愚痴ってもんだよ。北条丸が沈んだのも、投げ銭が全部ダメになったのも、――」
「いや、そういうことじゃありません。せめて息子弥三郎がいたらなと思うんです」
「昔の恩を返す時が来たんだ」

原文 (会話文抽出)

「跡はただ何事も、天主の御意次第と思うたが好い。――では釜のたぎっているのを幸い、茶でも一つ立てて貰おうか?」
「はい。――それでもまだ悔やしいのは、――」
「さあ、それが愚痴と云うものじゃ。北条丸の沈んだのも、抛げ銀の皆倒れたのも、――」
「いえ、そんな事ではございません。せめては倅の弥三郎でも、いてくれればと思うのでございますが、……」
「昔の恩を返す時が来た」


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