GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』
現代語化
「うーん」
「それは人違いだよ」
「だって、巳之助と口を交わしたんです。口をきいて一緒に歩いた…」
「いや、それでも人違いだ。女は若狭屋のお糸じゃない」
「そうでしょうか?」
「と言って、まさか狐ってわけでもないだろうけど。それにしても、巳之助を殴った奴は何者だろうな」
「それから京の連中を驚かせたのは、天狗だと言ったな。まさか仮面をかぶってたんじゃあるまい」
「いくら臆病でも、大の男が3人揃って、みんな提灯を持っていたというんだから、仮面をかぶっていたらさすがに気づくはずだけど…」
「理屈ではそうだが、世の中には理屈に合わないことがいくらでもあるからな。まあ、俺も一度確認してみよう。明日の朝、一緒に行ってくれ」
原文 (会話文抽出)
「一々洗い立てをしたら、まだ何かあるでしょうが、どれも大抵は同じような事ばかりで、そのなかには嘘で固めた作り話もありそうですから、まあいい加減に切り上げて来ました。まず一番骨っぽいのは、小伊勢のせがれの件で、なにしろそのお糸という女は駈け落ちなんぞをしないで、平気で若狭屋に勤めているのが面白いじゃあありませんか」
「むむ」
「そりゃあ人違いだな」
「だって、巳之助と口を利いたのですよ。口をきいて一緒にあるいて……」
「いや、それでも人違いだ。女は若狭屋のお糸じゃあねえ」
「そうでしょうか」
「といって、まさかに狐でもあるめえ。それにしても、巳之助をなぐった奴は何者だろうな」
「それから京の奴らをおどかしたのは、天狗だと云ったな。まさかに仮面をかぶっていたのじゃああるめえ」
「いくら臆病でも、大の男が三人揃って、みんな提灯を持っていたというんですから、仮面をかぶっていたらさすがに気がつく筈ですが……」
「理窟はそうだが、世の中には理窟に合わねえことが幾らもあるからな。まあ、おれも一度踏み出してみよう。あしたの朝、一緒に行ってくれ」