岡本綺堂 『半七捕物帳』 「わたしはお上の御用聞きで、この一件を調べ…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「私はお上のご用聞きで、この一件を調べに来たのだ。米屋の『下総屋』の亭主は金右衛門と従兄弟同士だというが、本当にそうかね?」
「いえ、亭主ではありません。女房が従姉妹同士なのです」
「米屋の茂兵衛はいつ頃から江戸へ出て来たのだね?」
「10年ほど前に江戸へ出て、最初は深川で米屋をしていました。それから今の千駄ヶ谷へ引っ越したのです」
「茂兵衛の女房はおととしの暮れに死んだそうだが、名はなんと云うね?」
「お稲と申しました」
「子供はいないのかね?」
「いないように聞いております」
「金右衛門は8年ほど前に江戸へ出たことがあるそうだね?」
「はい。茂兵衛がまだ深川にいる時でした」
「金右衛門は茂兵衛に金の貸しでもあるのかね?」
「そんなことはまったく聞いておりません」

原文 (会話文抽出)

「わたしはお上の御用聞きで、この一件を調べに来たのだ。米屋の下総屋の亭主は金右衛門と従弟同士だというが、全くそうかね」
「いえ、亭主ではございません。女房が従妹同士なのでございます」
「米屋の茂兵衛はいつ頃から江戸へ出て来たのだね」
「十年ほど前に江戸へ出まして、最初は深川で米屋をして居りました。それから唯今の千駄ヶ谷へ引っ越したのでございます」
「茂兵衛の女房はおととしの暮れに死んだそうだが、名はなんと云うね」
「お稲と申しました」
「子供は無いのだね」
「無いように聞いております」
「金右衛門は八年ほど前に江戸へ出たことがあるそうだね」
「はい。茂兵衛がまだ深川にいる時でございまして」
「金右衛門は茂兵衛に金の貸しでもあるかえ」
「そんなことは一向に聞いて居りません」


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