宮沢賢治 『銀河鉄道の夜』 「ああ、そうだ、今夜ケンタウル祭だねえ。」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 宮沢賢治 『銀河鉄道の夜』

現代語化

「あ、そうだ、今夜ケンタウル祭だよね。」
「あ、ここはケンタウルの村だよ。」
「ボール投げなら絶対外さないよ。」
「もうすぐサザンクロスです。降りる準備をしてください。」
「僕もちょっと電車に乗ってるんだ。」
「ここで降りなきゃダメなんです。」
「いやだ。僕もう少し電車に乗ってから行くんだ。」
「僕たちと一緒に乗っていけば?僕たちどこまでだって行ける切符持ってるよ。」
「でもあたしたちもうここで降りなきゃいけないの。ここ天国に行くところだから。」
「天国なんか行かなくてもいいじゃん。僕たちここで天国よりもいいところ作るよって言ってたもん、僕の先生。」
「でもお母さんも行ってるし、それに神様が言ってるんだもん。」
「そんなの神様は嘘の神様だよ。」
「あなたたちの神様こそ嘘の神様よ。」
「そうじゃないよ。」
「あなたたちの神様ってどんな神様ですか?」
「僕よくわかんないけど、そんなんじゃなくて、本当に1人だけの本物の神様なんだよ。」
「本当の神様はもちろん1人だけです。」
「あ、そんなんじゃなくて、本当に1人だけの本当の本物の神様なんだよ。」
「それなら同じじゃありませんか。私はあなた方がその本当の神様の前に私たちと出会うことを祈っています。」

原文 (会話文抽出)

「ああ、そうだ、今夜ケンタウル祭だねえ。」
「ああ、ここはケンタウルの村だよ。」
「ボール投げなら僕決してはずさない。」
「もうじきサウザンクロスです。おりる支度をして下さい。」
「僕も少し汽車へ乗ってるんだよ。」
「ここでおりなけぁいけないのです。」
「厭だい。僕もう少し汽車へ乗ってから行くんだい。」
「僕たちと一緒に乗って行こう。僕たちどこまでだって行ける切符持ってるんだ。」
「だけどあたしたちもうここで降りなけぁいけないのよ。ここ天上へ行くとこなんだから。」
「天上へなんか行かなくたっていいじゃないか。ぼくたちここで天上よりももっといいとこをこさえなけぁいけないって僕の先生が云ったよ。」
「だっておっ母さんも行ってらっしゃるしそれに神さまが仰っしゃるんだわ。」
「そんな神さまうその神さまだい。」
「あなたの神さまうその神さまよ。」
「そうじゃないよ。」
「あなたの神さまってどんな神さまですか。」
「ぼくほんとうはよく知りません、けれどもそんなんでなしにほんとうのたった一人の神さまです。」
「ほんとうの神さまはもちろんたった一人です。」
「ああ、そんなんでなしにたったひとりのほんとうのほんとうの神さまです。」
「だからそうじゃありませんか。わたくしはあなた方がいまにそのほんとうの神さまの前にわたくしたちとお会いになることを祈ります。」


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