宮沢賢治 『銀河鉄道の夜』 「いや、商売ものを貰っちゃすみませんな。」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 宮沢賢治 『銀河鉄道の夜』

現代語化

「いや、商売ものをいただいてすみません」
「いいえ、どういたしまして。どうですか、今年の渡り鳥の具合は」
「いや、素晴らしいですよ。一昨日の2限目くらいですか、なぜ灯台の灯を、規則以上に間……(一字分空白)させるかって、あちこちから電話で故障が来ましたけど、なにもこっちのせいじゃありませんよ。渡り鳥たちが、真っ黒に群がって、灯台の前を通るんですからね、しかたありません。私は『バカヤロー、そんな苦情は、俺のところへ持ってきてもしかたねえだろ。バサバサのマントを着て、脚と口がめちゃくちゃに細い大将のところへ行ってくれ』って、こう言ってやりましたよ。はは」
「サギの方はなぜ手間がかかるんですか」
「それはですね、サギを食べるには……」
「天の川の水明かりに、10日間吊しておくか、そうでなければ、砂に3、4日間埋めておかなくちゃいけないんです。そうすると、水銀が全部蒸発して、食べられるようになるんですよ」
「これは鳥じゃありません。ただの菓子でしょう」
「そうでした。ここで降りなきゃ」
「どこへ行ったんだろう」

原文 (会話文抽出)

「いや、商売ものを貰っちゃすみませんな。」
「いいえ、どういたしまして。どうです、今年の渡り鳥の景気は。」
「いや、すてきなもんですよ。一昨日の第二限ころなんか、なぜ燈台の灯を、規則以外に間〔一字分空白〕させるかって、あっちからもこっちからも、電話で故障が来ましたが、なあに、こっちがやるんじゃなくて、渡り鳥どもが、まっ黒にかたまって、あかしの前を通るのですから仕方ありませんや。わたしぁ、べらぼうめ、そんな苦情は、おれのとこへ持って来たって仕方がねえや、ばさばさのマントを着て脚と口との途方もなく細い大将へやれって、斯う云ってやりましたがね、はっは。」
「鷺の方はなぜ手数なんですか。」
「それはね、鷺を喰べるには、」
「天の川の水あかりに、十日もつるして置くかね、そうでなけぁ、砂に三四日うずめなけぁいけないんだ。そうすると、水銀がみんな蒸発して、喰べられるようになるよ。」
「こいつは鳥じゃない。ただのお菓子でしょう。」
「そうそう、ここで降りなけぁ。」
「どこへ行ったんだろう。」


青空文庫現代語化 Home リスト