芥川龍之介 『戯作三昧』 「これはお尋ねにあずかって恐縮至極でござい…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 芥川龍之介 『戯作三昧』

現代語化

「これはお尋ねいただき光栄でございますな。私の俳句はただの下手の気まぐれで今日も句会、明日も句会、と、あちこちに出かけては恥知らずに詠んでいますが、なぜか句の方は一向にいい句が生まれません。ところで先生は、いかがでございますか、歌とか俳句とかいうものは、特にご趣味ではいらっしゃらないんですか」
「いや私は、どうもそういうものになると、まったく不得手なんですよ。昔は少しやったこともあるんですが」
「そりゃ冗談でしょ」
「いや、まったく性に合わないみたいで、いまだに門外漢なんです」
「性に合わない」

原文 (会話文抽出)

「これはお尋ねにあずかって恐縮至極でございますな。手前のはほんの下手の横好きで今日も運座、明日も運座、と、所々方々へ臆面もなくしゃしゃり出ますが、どういうものか、句の方はいっこう頭を出してくれません。時に先生は、いかがでございますな、歌とか発句とか申すものは、格別お好みになりませんか。」
「いや私は、どうもああいうものにかけると、とんと無器用でね。もっとも一時はやったこともあるが。」
「そりゃ御冗談で。」
「いや、まったく性に合わないと見えて、いまだにとんと眼くらの垣覗きさ。」
「性に合わない」

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