国木田独歩 『窮死』 「二時の貨物車でひかれたのでしょう。」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 国木田独歩 『窮死』

現代語化

「2時の貨物列車にひかれたんでしょう」
「その時はまだ雨が降ってたんですかね?」
「降ってましたとも。雨が止んだのは3時過ぎでした」
「どう見ても病人みたいですね。大島さん」
「もちろん病人です」
「昨日そこの原をフラフラしてたのがこの野郎に違いありません。確かにこのコートを着た野郎です。フラフラ歩いては木の陰で休んでました」
「そうすると、やっぱり死ぬ気で来たことは来たけど昼間は死ねないで夜にやったってことですね」
「おいさん、あの雨にドシャドシャ降られたので、どうにもこうにもやりきれなくなって、そこの土手から転げ落ちて線路の上に倒れたんでしょう」
「それにしても気の毒な奴さ」

原文 (会話文抽出)

「二時の貨物車でひかれたのでしょう。」
「その時はまだ降っていたかね?」
「降っていましたとも。雨のあがったのは三時過ぎでした。」
「どうも病人らしい。ねえ大島さん。」
「無論病人です。」
「きのうそこの原をうろついていたのがこの野郎に違いありません。確かにこの外套を着た野郎です、ひょろひょろ歩いては木の陰に休んでいました。」
「そうするとなんだナ、やはり死ぬ気で来たことは来たが昼間は死ねないで夜やったのだナ。」
「やっこさん、あの雨にどしどし降られたので、どうにもこうにもやりきれなくなって、そこの土手からころがり落ちて線路の上へぶったおれたのでしょう。」
「なにしろ哀れむべきやつサ。」


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