国木田独歩 『源おじ』 「紀州は親も兄弟も家もなき童なり、我は妻も…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 国木田独歩 『源おじ』

現代語化

「紀州は親も兄弟も家もない子だ。私は妻も子供もいない老人だ。私が彼の父親になれば、彼は私の息子になれる。一緒に幸せになれないだろうか?」
「本当に月日が経つのは早いですね、源のおじさん。ゆり殿が赤ん坊を抱いて磯辺に立っていたのを私が見たのは、昨日のことのように感じられます」
「幸助殿は今、お元気なら何歳でしょうか?」
「紀州より2、3歳上でしょう」
「紀州の年齢はわかりません。垢にまみれて年齢もわからなくなってるようだし、10歳くらいか18歳くらいか」
「私もよくわかりませんが、16、7歳だと言ってます。実の母親じゃなきゃ正確に知る人はいないでしょう。哀れだと思われませんか?」

原文 (会話文抽出)

「紀州は親も兄弟も家もなき童なり、我は妻も子もなき翁なり。我彼の父とならば、彼我の子となりなん、ともに幸いならずや」
「げに月日経つことの早さよ、源叔父。ゆり殿が赤児抱きて磯辺に立てるを視しは、われには昨日のようなる心地す」
「幸助殿今無事ならば何歳ぞ」
「紀州よりは二ツ三ツ上なるべし」
「紀州の歳ほど推しがたきはあらず、垢にて歳も埋れはてしと覚ゆ、十にやはた十八にや」
「われもよくは知らず、十六七とかいえり。生の母ならで定に知るものあらんや、哀れとおぼさずや」


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