GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 太宰治 『お伽草紙』
現代語化
「稲の穂」
「稲の穂?今どき珍しいですね。どこから拾ってきたんですか」
「拾ったんじゃない」
「おかしいじゃないの。この頃毎日、竹藪の中をうろついて、ぼんやり帰ってくるのに、今日はまたなんだか、嬉しそうな顔をしてそんなものを持って帰っておいて、大事そうに筆立てに挿したりなんかして、あなたは、何か私に隠してるわね。拾ったんじゃないんなら、どうしたんですか。ちゃんと教えてくれてもいいじゃない」
「雀の里から、もらってきた」
原文 (会話文抽出)
「おや、それは何です。」
「稲の穂。」
「稲の穂? いまどき珍らしいぢやありませんか。どこから拾つて来たのです。」
「拾つて来たのぢやない。」
「をかしいぢやありませんか。このごろ毎日、竹藪の中をうろついて、ぼんやり帰つて来て、けふはまた何だか、いやに嬉しさうな顔をしてそんなものを持ち帰り、もつたい振つて筆立に挿したりなんかして、あなたは、何か私に隠してゐますね。拾つたのでなければ、どうしたのです。ちやんと教へて下さつたつていいぢやありませんか。」
「雀の里から、もらつて来た。」